本件は警備会社の従業員と顧客が不貞関係になった事件です。A男からB男に対する不貞慰謝料請求は250万円が認められました。一方で警備会社に対する請求は認められませんでした。 (B男に対する請求) 慰謝料の金額は250万円と高額になりました。金額を算定するにあたっての考慮要素は以下のとおりです。 ・不貞期間半年程度 ・不貞の回数月1回 ・不貞が原因で婚姻関係破綻 ・鉢合わせて傷害事件で逮捕 ・鉢合わせ以後も2回性行為があった。 その他,家庭の安全や安心を守ることを標榜する警備会社の従業員が不貞行為に及んだという点も考慮されたように思います。 (警備会社に対する請求) A男は,警備会社に対して,使用者責任を理由に損害賠償の支払いを請求しましたが,裁判所は警備会社に対する請求は認めませんでした。不貞行為の相手方の勤務先に対して,使用者責任を理由に訴えるケースは少なからずありますが,請求が認められることは難しいです。ただ,裁判所は,「家庭の安全や安心を守ることを標榜する警備会社の従業員が顧客の妻と不貞行為に及んだという本件事案において,被告Y1社(警備会社)に対する原告(A男)の心情を理解できないわけではないが」と述べており,A男の気持ちは理解しているようですね。 相手方に対して,「会社にバラされたくなかったら〇〇〇万円を払え。」と言ってしまったら恐喝や脅迫になりかねません。少し言い方を工夫して「会社に対しても使用者責任などの法的措置を執ることも検討せざるを得ません。」と伝えれば,恐喝や脅迫に該当するリスクも軽減でき,かつ,相手方に対して「やばい。会社にバレる!」と思わせることもできます。 不貞や離婚の問題にかかわらず,感情を抑えて,法的知識を持って適切に対応することで,有利に物事を進めることができます。 以上最後までお読みいただきありがとうございました。
mikitanaoya
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川西能勢法律事務所 弁護士 三木田直哉(離婚、不倫、川西市)の最新のInstagram
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