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. 『虫歯と娘』 . 今日は3時から長女の歯医者を予約していた。娘にとって大きなストレスがかかることは分かっていた。 . なので、歯医者に行く前に少しでも楽しい気分にさせようと、長女のリクエストで緑地公園へ。公園の椅子でパンを食べ、まつぼっくりやどんぐりをたくさん拾って、娘も満足そう。でも、歯医者の時間が近づくと「もうすぐ歯医者？」を連発。そして、夫に下の子を預けて、私と長女は歯医者へ。 . . 娘は今、左下に大きな虫歯がある。仕上げ磨きの時に、歯にボコっと穴が空いているのを発見。最初は、以前治療した時の詰め物が取れたのかなと思った。でも先日診てもらうと、虫歯で空いた穴とのこと。しかも、結構深いと… . . 娘にとって、虫歯の治療はまさにトラウマ。年長の秋、初めて虫歯が見つかり治療を受けた時に、怖くて診察台の上で泣き叫び暴れた娘は、数人がかりで体や頭を押さえられ、麻酔の注射をされたことがある。そばで見ている私ですら「もう止めてください」と言いたくなった。半ば強引に治療を進めていた先生も、あまりに娘が動くから「どうしますか？」と私に聞いてきた程。でも、麻酔までしたのに、しかもこのままじゃ穴が開いたままで歯の痛みも増す… . 「続けて下さい」と言うことしかできなかった。結局、娘の様子から詰め物までの処置はできないと判断され、虫歯進行止めの薬を塗布し仮の蓋をして一旦様子見に。そして、何度か歯医者に通って慣れてからじゃないと治療はできないと言われて終わった。その日から、娘の長い長い歯医者通いが始まる。まず、すぐに別の歯医者を探した。小児歯科に力を入れているところを見つけ、事情を説明。ここでも、一人で診察室に入れるようになるところから始めるよう言われるけど全く無理で。歯医者に連れて行くだけでも大変なのに、母子分離で治療を受けるなんて… 到底できると思えなかった。狭い診察室で、泣いて怖がる娘を私はただただ側で励まし続ける。娘は、口を開けようとしない、顔を動かす、風を当てたり水で洗うだけの処置も嫌がる、何をされるのか何度も説明を求める、タオルを目に掛けられるのを嫌がる、口に綿を詰められるのも駄目、体を触れられるのも拒否、先生の問いかけにも答えない… . もう、私にもどうすればいいのか分からなかった。先生に「もうすぐ一年生になるんでしょ？そんなんじゃだめだよ」と呆れられ、「大学病院で全身麻酔して治療できる所を紹介しましょうか」と言われる始末。本当に、全身麻酔で寝ている間に虫歯を治してあげたいと思ったけど、ネットで全身麻酔のリスクなどを見ると怖くて止めた。結局、そこの歯医者でも虫歯の治療はできないまま、引越しで名古屋へ。 . . . その虫歯が完治したのは、今通っている歯医者で。そこは、とにかく患者の怖がる気持ちを受け止め、無理やり治療を進めないことを徹底している。そして、娘の無言や頑なな拒否の態度にも、とことん付き合いながらプラスの言葉をかけてくれる。そのおかげで、何度も通う内に少しずつ治療が進み、難関だった麻酔もでき、ようやく虫歯の治療が終わったのが今年の7月。虫歯一本で約10ヶ月越しの治療だった。やっと、やっと虫歯の治療から開放された…!! そう思ったのに、まさかまた… . . そして今日、娘は虫歯の治療ができなかった。どうしても麻酔が怖くて、口を開けられず。一時間もいて、娘が信頼している女性の先生もスタッフさんも、みんな優しく精一杯励ましながら何とか治療しようと頑張ってくれたけど。 . 「今日は帰ろうか。また次、頑張ってみようね。」そう言いながら、私の心の中は、落胆と不安が入り混じっていた。唯一救いだったのは、先生さん達が「怖かったよね、でも頑張ったね。あと少しだったよ！」と優しい言葉を掛けてくれたこと。次回の予約をして、「久しぶりだったし仕方ないよ、頑張ったね」と娘に声をかけた。でも、私は笑顔を向けることはできなかった。 . . 麻酔が怖い。歯の治療が怖い。その気持ちはよく分かる。私も、娘のあんなに怖がる様子を見たくないし、「もういいよ」って言ってあげたい。でも、虫歯は放っていても勝手に治ってくれない。どんどん悪化する。しかも、乳歯は進行がとても早い。既に一部歯が溶けて、大きな穴が空いている状態なのに。予約は埋まっていてすぐに取れないし、娘の希望する先生は週に2回しか来ない。今回最短で取れた次の予約も、2週間後の火曜日…。その間も虫歯の進行は止まらない。強い痛みが出てきたら？虫歯が神経まで達していたら？次も娘が治療を拒否したら…？不安が消えない。娘の歯磨きをする度に、私の心はざわつく。 . . 娘も辛い。でも虫歯が進んで困るのは娘だから。ママだって泣きたいよ… 2019.11.2 #HSC#ひといちばい敏感な子#虫歯#治療#麻酔#トラウマ#痛みに弱い#乳歯#歯医者